日本うつ病学会、併用禁止薬の併用を避けるよう警告

 日本うつ病学会は12月17日、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)には他の薬剤との相互作用による副作用リスクがあるため、併用禁止薬の併用を避けるよう求めた文書をホームページに掲載した。特にピモジドなどQT延長などをもたらす可能性のある薬には注意するよう呼びかけている。

 2012年10月に、10歳の児童が日本脳炎ワクチン接種5分後に心肺停止となり、約2時間半後に死亡するという事例が報道された。この児童は広汎性発達障害と診断され、6月よりアリピプラゾールとピモジドを内服、9月に塩酸セルトラリンを追加服用し、3剤を併用していたと報告されている。

 学会は、向精神薬の中には、QT延長を引き起こし、致死的な不整脈を誘発する薬があり、特にピモジドのQT延長は繰り返し報告されていると指摘。さらに、アリピプラゾールやピモジドを代謝する肝チトクロム酵素は、セルトラリンにより軽度に阻害され、これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性もある。当事例ではピモジドとセルトラリンの併用が長期に及び、ピモジドが心筋細胞内に蓄積、QT延長を引き起こした可能性が考えられると説明。学会員に向け、薬剤投与前後には必要に応じて心電図などでモニタリングを行うよう依頼している。

難治性うつ、薬+認知行動療法有効

文献:Wiles N et al.Cognitive behavioural therapy as an adjunct to pharmacotherapy for primary care based patients with treatment resistant depression: results of the CoBalT randomised controlled trial.The Lancet, Early Online Publication, 7 December 2012.

 英国で、治療抵抗性うつ病患者469人を対象に、薬物療法を含む通常ケアと併用した認知行動療法(CBT)の増強効果を無作為化比較試験で検証(CoBalT試験)。6カ月時のベースラインからのベックうつ病評価(BDI)スコアの50%以上の低下が、通常ケア+CBT群の46%、通常ケア単独群の22%で見られた(オッズ比3.26)。

うつ病差別、社会参加への障壁

文献:Lasalvia A et al.Global pattern of experienced and anticipated discrimination reported by people with major depressive disorder: a cross-sectional survey.The Lancet, Early Online Publication, 18 October 2012.

 18歳以上の大うつ病性障害のある1082人を対象に、差別の経験や特徴を横断調査などで検討。79%が差別を経験していた。37%は親密な人間関係を、25%は仕事を、20%は教育や訓練を断念した。差別経験はうつ病を公表する意思を失うこととも関連した。うつ病に関する差別は、社会への参加と職業的統合への障壁であると示唆された。

精神障害20年間で倍増、台湾

文献:Fu T et al.Changing trends in the prevalence of common mental disorders in Taiwan: a 20-year repeated cross-sectional survey.The Lancet, Early Online Publication, 12 November 2012.

 台湾で精神状態を評価するアンケート(回答者9079人)を基に、工業化による社会変化の中での頻度の高い精神障害(CMD:common mental disorders)の有病率を横断研究で検証。probable CMDの有病率は、1990年の11.5%から2010年の23.8%へ倍増した(経時的傾向のP<0.001)。