心理学のアプローチ1 知覚系

心理学は、アプローチの仕方の違いで大きく5つにわけることができるといわれている。

知覚系、認知系、発達系、医療系、応用系である。

 

知覚系アプローチは、五感などの感覚で受けた刺激が、生理的興奮によって大脳中枢に伝達されるメカニズムの解明をおこなっている。

ここでは、刺激の反応速度や図形の見え方、感覚器官の構造や脳の情報処理など多岐にわたる。たとえば光を感じたらボタンを押し、その時間差を測定したり、光の強さを変えたりという研究や、教科書でおなじみの盃−横顔図形や錯覚図形の研究は、感覚心理学や実験心理学でおこなわれている。また神経系と大脳の情報の処理の仕方の研究は、知覚心理学や神経心理学があたっている。

自己刺激法による快中枢の発見や、視覚野のなかでの物の傾きに反応する神経細胞群の発見は、生理心理学の成果である。

これに動物との比較研究としての動物心理学もある。

また単なる刺激−反応だけの研究にとどまらず、視覚でいうと、相手の表情による認識の差、刺激を受けるこちら側の見ようとする欲求による違い、態度に関しても研究が進んでいる。。

生活習慣について

生活習慣病は現在,中高年のみならず、小学生においても出現しており、肥満や高脂血症者の将来的な健康問題は、切実となっている。

今日糖尿病患者も増え続けており、生活習慣病に関しては、発症後の対応ではなく、青少年期からの適切な運動や食事管理が重要であることが,指摘されている(門田,2002)

また運動が月2回以下,生活が不規則,朝食を毎日食べない,という生活習慣があるほど

精神的健康度が低いことが示されている(伊藤・津田・山本・石川, 2005)。

それには大学生の頃からの一次予防の認識は望ましいと考えられ実際の生活習慣の状況と心の健康度との関係も検討が必要となっている。 

またストレス問題に関しては,特定の13個の健康習慣の内(ここでは割愛),4個から6個の悪い健康習慣を持つ者の抑うつ発症率が高く,悪い健康習慣がよくうつ状態に独立して寄与する,すなわち,生活習慣が身体的健康同様,精神的健康にも影響する(Fredrichs & Clark, 1988)という結果が得られており,医学,医療の場では,生活習慣が深く関わる生活習慣病やストレス病への対策が求められている。

特に心身的に充実させていく時期にある大学生を対象に精神健康度を生活習慣から検討してゆくことが必要。

健康づくりの意識について(小笠原・渡邊・煙山,2005)は,「するほう」「どちらかと言うとする方」を合わせた「積極群」は,中年者が44.6%,高年者が68.8%で高年者のほうが積極的に健康づくりを行っていることが明らかになっている。また20以上の男女の調査では,若い世代ほど「健康に気をつけていない」人の割合が高い傾向にあると報告している。健康づくりに対する影響要因は,中・高年者ともに類似しており,「性別」「主観的健康感」「階層帰属意識」が抽出され,さらに女性では主観的健康感が良いと感じ,かつ経済的にゆとりを感じている人では,健康づくりにより積極的である傾向が伺える。これは,女性のほうが美容に関心が強く,「美容のため」という要因が積極的に健康づくりを行うことに影響する一因であると考えられる。

また運動・スポーツについては,2001年の東京都の調査で運動・スポーツをしない理由として,30代では「忙しくて時間がないから」「仕事や家事出疲れているから」があげられていた。健康維持のために食生活で心掛けていることについて比率の高さをみると,中年者・高年者ともに1位が「朝食を摂る」である。また中年者では5割以上,高年者では,9割以上が 「塩分を控える」と回答している。

いままで生活が不規則,趣味がない,多忙,定期的な運動をしない,睡眠時間が適正でない,

食事が不規則,朝食を摂取しない,栄養のバランスを考慮しないなどの生活習慣が,主観的なストレス量やうつ度の上昇に影響を及ぼすことが複数の研究で明らかになっている(川上・原谷・金子・小泉, 1987; 入江・宮田・三島・池田・平山,1997; 上岡・佐藤・斎藤・武藤,1998)

吉祥寺 ナチュラルシーンカウンセリングプログラム

    こころの問題は、それぞれの方によっていろいろ異なってきます。 心の病気の場合はからだの病気と同じように、不調を感じたら早めに適切な治療を受けることが回復にとって大切です。こころの病気と言っても、病気の種類や症状も様々です。生活習慣病と同じように、薬物療法を続けながらカウンセリングと合わせ落ち込みが少なく症状を上手にコントロールしながら生活することもできます。

ナチュラルシーンカウンセリングでは、個別に対応したプログラムにて 納得のいくまで向き合います。

 認知行動療法プログラム 短期 8時間 プログラム一例

認知療法プログラム.bmp

 

吉祥寺 カウンセリング ナチュラルシーン

カウンセリングのアプローチについて

ハッパ治療.bmp基本的には、ご相談者さまのご要望に合わせたカウンセリングになります。

希望がありましたらそれぞれにあったプログラムをご提示致します。

一回で、問題解決がなされる場合もあれば、週一回で、3か月ぐらいかかる場合、それ以上、

月一回で、3か月ぐらいなど様々です。

もう大丈夫と思った時に終えられるかたが多いです。

 カウンセリングの流れは

1.インテーク面接と言いまして、現在の状況、背景などを踏まえてじっくりお話をお聞かせ

  願います。必要であれば、当然その時にアドバイス等も致します。

2.なにが問題で、どのようにとらえているかを ご相談者様と一緒に考えます。

3. その問題に対しどうアプローチしてゆくかを考え、問題の解決に向けて

  プログラムを行ってゆきます。

4.プログラムとともに家庭での学習の検証と感情の変化についてお話ください。

5.問題が解決致しましたら終了となります。

 

◎いまでの例でいきますとご相談者様は、お話をされるだけでも気持ちの整理、発見、癒し

 ストレスがなくなるといった効果を得られる方も多く見られます。

 そしてカウンセリングが終わった後は、どなた様も今までは、喜ばれてお帰りになっています。

 それぞれにあった技法を当カウンセリングオフィスではとらせていただいております。

 是非一度体験してみてください。お待ち申し上げております。

 

 

 

 

認知療法学会 NEWS

新しい知見のひとつとして社会不安者の顔表情に対する弁別・注意などに関する研究の発表について ヨーロッパ認知行動学会より(EABCTより) 

オランダのラドバウト・ナイメーヘン大学のグループで、社会不安者の表情弁別に関する研究について発表していました。その発表では、高社会不安者は、相手の表情をより嫌悪的に解釈する傾向にあることを示していました。

顔表情は、6種類に分類されるといわれているが、(喜び・怒り・驚き・恐怖・悲しみ・嫌悪)多くの研究で社会不安者は、特に嫌悪的な表情処理に特徴が見られるはずだと議論がなされていました。

それというのも、嫌悪表情が相手に対する拒絶や屈辱を想起させるため、他者からの否定的な評価に敏感で、強い恐怖を抱いている社会不安者にとって、嫌悪表情は特別な意味を持つと考えられるということです。

しかし、これまではっきりとした研究結果は、得られていなかった印象を受ける。

今回聞いた発表内容は、比較的きれいに嫌悪表情に対する特異的処理が示された

希有な内容といえ今後の研究の参考になるということです。

感情と健康5

認知心理学と感情心理学領域では,ネガティブな感情と認知機能の研究に引き続いて,

ポジティブな感情と認知機能についても興味が持たれるようになってきた。また(Seligman, 1998)の主張は,人間を外的な影響を受動的に受ける傷つきやすいものと考えるのではなく,いきいきと人生を築いてゆくことを目指して,環境に対して積極的に働きかけてゆく楽観性を持ち,自分の人生に対して責任のある存在を見るという観点の重要性を主張している。また(Snynder & Lopez, 2002)は,人生の中の悪い事を修復するのに没頭するだけではなく,人生における最良の特質を築くことに集中し主観的レベル,個人的レベル,集団的レベルにおいてそれぞれポジティブなものに焦点をあてることであると述べ、例えば,ポジティブな主観的経験のレベルでは,ウエルビーイングや満足とか,現時点でのフロー感や,喜び,感覚的な楽しみ,幸福,また未来については,オプティミズムや希望や信仰など建設的な認識が大切であるという。

一方ネガティブな感情の生起は,血圧,脈拍などの自律神経系反応の亢進をもたらし,その持続は心身の健康に悪影響をもつと考えられ,ストレスに遭遇した時,生体は血圧が上がり,脈拍は速くなり,呼吸は速くなり骨格筋への血流量は増加するが,末梢への血流量は減少する。またアドレナリンが放出される。こうした反応は,緊急反応(Cannon, 1929)と言われている。また(Mayne, T.J., 1999)は,ネガティブ感情が身体的健康に与える影響について展望しネガティブ感情に関係した交感神経の活性が疾病を促進する可能性があることを指摘している。特に敵意や怒りといったネガティブ感情が心筋梗塞などの心臓血管系疾患と関係がありそれ以外にも抑うつは,免疫機能を抑制し癌の進行を速める(Temeshock et al .,1985)ということも報告されている。これまでストレス刺激が免疫機能に有害な影響を及ぼすのではないかとする考え方から多くの研究が進められている。ストレスとのかかわりのなかで最も重要な役割を担っているとされるのがNK細胞である。ある種のがんに有効な免疫療法剤として知られているインターフェロンは有効な地ュ洋節因子であり,NK細胞の増殖や分化を促進し,NK細胞の標的細胞に対する殺傷能力を増強させることがしめされている。キーコルト・グレーサーら(Kiecolt-Glaser et al., 1984),医学部学生の最終試験時のストレス状況が学生らのNK細胞の活性化低下と関連していることを発見している。

私たちが健康で活力ある日々を過ごすためには,ポジティブな心身の状態を確保していくことは重要である。しかし常にポジティブな状態で入れることは難しい。

であるからこそ,苦境やネガティブな状態に陥った時にそれにとらわれることなく,ポジティブな感情を喚起あるいは回復出来るかが重要になる。ストレス状態が免疫系に有害な状況を及ぼすというのであれば,反対にポジティブな感情状態,前向きな認知傾向あるいは積極的行動を取ることが免疫系に有益な影響を与えるということも考えることができる。

最近の脳科学的知見では,笑いによって大脳基底核が刺激されることによって神経伝達物質のドーパミンが放出され,NK細胞を活性化させるのではないかという仮説が提出され

笑いは唾液中の免疫グロブリン抗体の増加,血圧降下などの生理的変化を生じさせることが指摘されている(Lefcourt, 2002)

(平尾・山本, 2008)は,ポジティブライフイベントに対する認知の違いによって精神的健康(自尊感情,抑うつ,ストレス反応)や性格特性についてどのような違いがあるかを検証している。その結果ストレス反応において,ポジティブライフイベントについてポジティブな

認知をする高群の方が,低群に比べ有意に低いということが得られている。

感情と健康4

従来から精神的な健康を維持するには,現実や自己について,正確に認識することが,重要であると考えられてきた。
先行研究の中では、精神的健康の問題を,認知的アプローチの面から探る研究が増えている。そうした研究の中で特に注目されるのが,「楽観的に自己に都合の良いように傾いた認識こそ,人が適応的に生きていく上で必要である。」とする。ポジティブイリュージョン(positive illusion)の考え方である。
(Taylor&Brown,1988)がポジティブに傾いた自己概念を持っていることが,精神的健康につながるという,あらたな精神的健康感を提唱した。
ポジティブイリュージョンとは,「実際に存在するもの・ことを,自分に都合よく解釈したり,想像したり,イメージしたりする概念」と定義される。
Taylor&Brown(1988)は,ポジティブイリュージョンを自分自身をポジティブに考える、
自分の将来を楽観的に考える、外界に対する自己の統制力を高く評価する、というこの3つのポジティブイリュージョンが、精神的健康に結びついていると結論している。
また非現実的な楽観主義は,ポジティブな結果は自分に生じやすく,ネガティブな結果は他者より生じにくいという認知的なバイアスを意味する。こうした認知的傾向を示したのはワインシュタインで(Weinstain,N.D.,1980)である。ワインシュタインは,良い仕事に就く,自分の家を持つなどの18のポジティブイベントな事象と,心臓病になる,離婚するなどのネガティブなイベントについて,自分自身について生じる比率と他者に生じる比率の評定を被験者に求め,その差を検討した結果,ポジィティブな事象に関しては生起可能性や望ましさが高いほど自分に生じやすいとみなし,ネガティブな事象に関しては,コントロールが可能で特定の人にしか生じないというステレオタイプ的な認知を持つほど,自分に生じにくいと考えることが示された。
またTaylor & Brown (1988)は,被験者に対して癌などのネガティブイベントが,一般的な人と比べどれぐらい起こりにくいかということに評定を求めた。
その結果大多数の人が,自分は平均より上であるとみなしたが,多数の人が,他人より優れているということは論理的に不可能なことであるので,「イリュージョン」という言葉が使われている。実際,楽しい気分や高揚した気分といったポジティブな気分の時には,ネガティブな感情価持つ記憶よりもポジティブな感情価を持つ記憶の方が想起されやすい。一方悲しい気分や抑うつ的な気分といったネガティブな気分の場合には,逆にネガティブな記憶の方が想起されやすいことが明らかにされている(Bower, 1981)。1990年代には,ポジティブな精神機能が多く研究されるようになってきた。
すなわち健康的な人には,自己を良きものと考え,自分の未来を明るく描き,自己の統制力を強く信じる傾向がみられるというのである。自己認知と精神的健康は,結びついていることが示され,自己高揚的な認知をしている人は,より健康的に生活している(外山・桜井,2000)ということも明らかにされている。

感情と健康3

いま世界各国で感情と健康の関係を明らかにする研究をおこなわれている。

その中での研究の問題点の一部として,ネガティブ感情の急性反応と慢性反応,ポジティブ感情の急性反応と慢性反応がそれぞれに及ぼすインパクトを明らかにすることが求められる。次に急性のネガティブ感情反応が慢性のネガティブ感情反応に移行するメカニズムを解明することが求められる。そしてネガティブ感情とポジティブ感情の相対的活性あるいは不活性が生体におよぼすインパクトを明らかにすることが求められる。最後にネガティブ感情とポジティブ感情のそれぞれの作用原理を踏まえて,人を活かし,人生を豊かにするための生活技術を開発することが期待される(余語, 2007)

実際ポジティブな感情状態にある時どのような事が起こっているのであろうか。またポジティブな気持ちになることはどのような影響を与えるのであろうか。このような疑問に対しては現時点では明らかにされていない部分が多い。

しかしポジティブ感情が,私たちの幸せや幸福感,ウェルビーイングと関連していると考えられる。ポジティブ感情として例えば,幸せ,喜び,満足,興味,愛などがあげられる。私たちはこれらのポジティブ感情を経験することによって,たとえそれがその瞬間だけであっても,ポジティブな状態になる。そして感情は主観的な経験で動機付けの働きをもち,表情や行動反応,整理反応などの変化を伴うものである。

ポジティブな感情を経験することによって,注意の幅が広がってゆくまたターゲットに対する注意を向ける速度や識別反応などが報告されている(Fredrickson & Branigan, 2005)

つまりポジティブ感情を経験することにより様々なことに目を向けたり考えられたりするようになるそしてその結果身体的,社会的,知的な個人資源を獲得し,形成することができるようになり対処能力やレジリエンスを高め最終的に健康やウェルビーイングを促進することにつながる(Fredrickson,& Joiner, 2002)といわれている。

フレドリクソンの拡張−形成理論から考えると,ポジディブ感情は,自己というよりもむしろ他者の方向に注意を持っていると思われる。たとえば,嬉しい気持ちの時には,より周囲に目が向いたり,他者とのかかわりが増えるということである。

 

感情と健康2

 健康に影響する個人の属性として,習慣的な行動パターンや敵意,楽観性,感情表出性などのパーソナリティ変数がある。これらの個人差は,遺伝子レベルの差異と学習経験によって形成される。これらの個人差は,遺伝子レベルの差異と学習経験によって形成される。たとえば,敵意は冠動脈の応答性や冠動脈心疾患の罹患リスクの高さと関係する(Smith & Ruiz, 2002)。また感情と行動変化については,行動は,危険な事象や事態,あるいは否定的認知や身体的不快によってネガティブ感情状態が喚起すると変容しやすい。ネガティブ感情を感じると,生活体は問題解決のための対処行動を実行する。対処が困難な状態が続くと生理学的覚醒状態が慢性化し,コルチゾールやアドレナリンなどのホルモンの作用により内臓組織が損壊する可能性が高まる(余語, 2007)

パンクセップ(Panksep, 1998),人間を含む哺乳類の脳機能の比較神経科学研究にもとづき,感情は生命を維持するために進化した脳神経システムであると主張する。

たとえば食物,水分,温暖,性交,社会的交流などのポジティブな報酬は,欲望や希望期待といった感情を形成し,探索行動を促してきた。他の典型的な環境要求には痛みと崩壊の脅威,体表の炎症,拘束,欲求不満,社会的喪失がある。痛みと崩壊の脅威は不安や警戒,不吉な予感といった感情を形成し,恐怖行動を促す。体表の炎症,拘束,欲求不満は憎悪や怒りといった感情を形成し激憤行動を促す。社会的喪失は孤独や悲嘆,分離苦痛といった感情を形成し,恐慌行動を促す。健康状態を作り出す基盤として感情が果たす役割は大きい。

ストレス反応が健康を脅かす認識が社会に浸透しているが,ストレス反応の先駆者たちがすでに指摘しているように,ストレス反応は生活体が環境欲求に対して体内環境の恒常性を維持するための適応促進反応であり,ストレス反応がすぐさま健康を脅かすわけでもない。