大学生の健康について

 現代社会において,大学生は多くの心理社会的刺激にさらされ日々ストレスを抱え生活している(橋本,2000)。「学生の健康白書2005」によると20年前に比べ休学率も退学率も増加しており,その中の529人の休学の理由となっている精神障害の内訳としては,気分(感情)障害が52%とその中の半数以上を占めている。また「体の調子は良い」と答えた大学生が,83%であったのに対し,精神的な面では,「なんとなく不安になる」が44%,また「人との関係で傷つくのが怖い」と思っている学生が52%という結果がある。このように身体的な健康に対して,精神面での問題における学生の不安定さが指摘されている。
また大学生においてはかなり多くの学生が心理的問題を抱えているという報告があり(福田,2000),学業上の問題,対人関係,金銭面,将来の不安など原因となる要素は,かなり多い。そして大学生に発症しやすい具体的な疾患として,統合失調症,うつ病,神経症,摂食障害,境界性パーソナリティー障害,アパシーや不眠や生活リズムの乱れや,頭痛,めまい,耳鳴りなどの愁訴が挙げられている(福田,2000)。
大学生においては,身体的な問題よりも心の問題での健康に関しての悩みが多く,内面に多くの心理的な葛藤を持っていると言え,また社会的,環境的変化へも直面していながら社会環境は,近年めまぐるしく変化しておりインターネットや携帯電話の普及等で便利になる一方で,コミュニケーション能力の低下が懸念されている(橋本,2000)。そういった激しく変化しているそういった社会生活状況下で,改めて大学生の精神的健康について考えさせられる。